酒場での一幕(愚痴)/pur/cran
 
 わたしたちは曼荼羅を描こうとしておりましたな。たしか。
「いいえ、そんなことはありません。」
又始まった。無意味な反駁(はんばく)ばかり繰り返す下衆の世迷いゴト。
「曼陀羅など、ハッ、そこらの坊主が精魂尽くして描けばいいのですよ。
 わたしたちはただそれを遠目に観察してればよいのです。」
もう、うんざりだ。こういう輩が、物事の苦しみを倍化し、
わたしが問題の解決に腐心することを許さないのだ。

 なぜ、この罪もなければ害もないはずの男が、こうも意味のない話をするのか。だいたいにおいて、彼は邪魔をするというのが好きなのだ。いや、好きどころの話ではない。それを天命だと、まじめな
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