血族の晩餐/
やぶさめ
嗚呼なんと悪戯な
バッカスの酒を呑ませたのは
貴方だと云ふのに
非現実でしか無くても
全て覚えておきたひと云ふのに
忘却の彼方へなど寄越したくは無いと云ふのに
其の眼球も
耳も
鼻も
唇も
腕、指先、足、胴体
其の艶やか髪の一本一本に至るまで
総てを記憶しておきたひと云うのに
朝がくれば非現実でしかない
此の現実は消えてしまふのですか
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