さわがし野/
六一介
あるく
そぞろあるく
奥にあるものに かたる
いらえをあてにして かたる
かたりながら だまって 歩く
歩く
やあ、なんという沈黙
雲さえとうに まいちった
がりがりと 心臓なんか、記憶なんか
空ッ風でひきさいて
ほろほろ 歩き
また 歩く
(祖母のいない あぜみちにて)
戻る
編
削
Point
(6)