5秒待って/猫のひたい撫でるたま子
 
トリスでいい 口のなかがあまくなればいい

真っ暗な部屋 独り鳴ってる冷蔵庫からアイマスクを探す

手元灯にさらしたらバターが凍ったものだった

甘くていい 知らなくていい

知りすぎる ようでいて何も掴めてなどいない

マウス ピース マスク

青くてふさふさ 冷凍ジェル 一時的、回想停止

記憶の奥へと、どうやったらおさまってくれるのか

自分のきたないとこ誰にも見せられない

はなが咲く 色がふえる こんな柔らかい季節のなかで

私はすべてかくしたまんま

言葉にするとみんな少しずつずれていくから、

はじめ

の言葉をおもいだして

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