春夏秋冬のひだまり/見崎 光
まだ弱い陽気の下
雪の溶けきらない冷たい土と
微かに香る風
淡いピンク色の季節が
小さな葉を広げた
抱かれた温もりはゆりかご
湯船の揺らぎは子守唄
すやすやと寝息をたてはじめて
黄色く柔らかなたんぽぽ
じきに綿毛となり
空を飛ぶのだろう
じきに降り立ち
地を踏むのだろう
少しずつ
少しずつ
巡り来るオレンジ色の季節には
はしゃいで魅せる大きな向日葵
駆ける赤色の季節には
おしゃべり上手な紅葉
薪の匂いが澄む銀色の季節には
悪戯好きな雪花
とりどりの種を
その小さな手で蒔く
とりどりの君(ハナ)に
太陽は温もりを絶やさないだろう
風はそよぐだろう
空はいつもそこに
在り続けるだろう
いつまでも
いついつまでも
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