どどどどどど/大村 浩一
しゃああと溢れる水を浴びながらワタシは叫んだ。
「もとこぉ〜〜、早く来てぇぇ」(原文ママ)
「何やって…、うわぁぁ!」
「早く早く止めて、表の元栓、奥のほうぅ」
危機に陥るほど冷静になる、と普段から豪語する妻もとこさすがにクール、
忽ち表に出ると元栓をピタリ。噴出から15秒ほどで水は止まった。
床に溢れたのがそれほどの水量では無かったため、洗濯したばっかりのバス
タオルを全滅させる程度で後始末は幸い済んだのだが、これが2階だったらど
うするの床下に漏れたら全部弁償しなきゃなんないのよまたお金かかるでしょ
う、とキーキー怒る妻もとこの前で、まるで絵に描いた様な失敗をやらかした
自分がおかしくて、私はクスクス笑いが止まらなかった。呆れた妻から、あな
た工場では働かないほうが良いわよ、こういうので酸とか浴びて絶対死んじゃ
うわよと脅かされた。もっともだと思った。
2007年10月05日 記
mixi日記から転載
大村 浩一
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