春・雑感2/within
 
お日様が
頬を撫でる
午後一時
隣の庭先に咲く
梅の花がほころび
花の裡に蜂がとまる
虫たちのざわめきが
夏に実を結ぶ
黙々と続けられてきた営みに
僕は言葉を失い
ただ注視することしか
できない
その行為に迷いなく
そのためだけに
生まれてきたのだろうか
きっと
そうではなくとも
彼らは言葉を使わず
全身で
世界に投企する
いや違う
きっと
彼ら自身が
世界そのものなのだろう

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