初夏/蒲生万寿
 
どうだ

この青い空は

雲はうすく横に流れる

梅雨入り前の夏だ

私の背を押す日の力

気持ちいい

楽しい

今、大地が裂け

一瞬にして世界が失われても

私が同時に消えたとしても

この網膜に映った空は消えずにとどまる

私はそれをとどめるように

刻みつけて

消えてゆく
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