ハートに火をつけて/天野茂典
 




   風 立ち ぬ
   いざ 生きめやも
   と 息をついたのは
   フランスの詩人
   ポール・バレリーだった
   それを 訳したのが 堀辰雄である
   ケータイ電話 を
   かけながら バスターミナルで
   ぼくは 人間はどこからきて
   どこへ行くのか と
   東大生に呼びかけた
   立花隆の 風 立ち ぬ
   をおもった おもしろくない のだ
   毎日が あまりにも
   フラットすぎて 楽しい事なんてない
   自分から つくりださなければ
   なにも おもしろいことなんてないこと
   ぐらい それでも『永遠
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