空港へと2/番田
間違えてしまった。「parking」と書いてあったので駐車場だと感じ、トランクを引きホームを歩けば凹凸のあるホームは大きな音がして、おばあさんに怪訝な顔で見られてしまった。到着した電車に乗るときに優しそうな女性から声がかかり少し道案内してもらった。彼女はとても親切だったがフランス人だったかどうかはわからない。というのもその後に出会った人々は僕に対し冷酷な態度で対応してきた印象が否めないからだ。マルセイユの少女から恐喝をされエッフェル塔を眺めてサンドイッチを食べているところを、パリの家族づれは急に大きな声をぶつけてきた。
パリに向かう鉄道のホームに降りエスカレーターに乗る入り口で突然50代ぐらいのおじさんが大きな声をかけてきた。「パリに向かうのか?いっしょに行こう」と言っているようだ。僕は彼がホームへ連れて行ってくれるのかと判断し、従うことにした。向かう先にタクシー乗り場が見えてきた。
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