空港へと2/番田
空港の中を外国の個性的な人とすれ違いながら歩く。すれ違う顔をまじまじと見つめながら無人電車に乗るべきホームを探して歩くけれど、普段は見かけない外国の人というのは化粧が濃く掘りが深いので、個性的な顔に見える。微妙な思いを抱きながら看板を目印に歩いていくと、空港の外に出たところが電車が発車するホームだった。アメリカ人に見える人たちの一群に寄りそうようにして電車に乗れば、ドアはスルスルと閉まり電車は唐突なスピードで発車しだした。短いトンネルに入ったと思うとまだ明るみがある地上に出て、緑の芝や木々がなした風景をつき抜けていく。そんな目をした手でガイドをめくりながら乗っていると降りようとしていた駅を間違
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