夏のおわり/イシダユーリ
 
ようとするならば
わたしは まだ わたしを 信じていられるのかもしれないのにと思う
ただ運動 ただ振動 ただ震え ただ痙攣 ただ瞬き
そんなものに わたしがなれるはずがない
ただ そうなりたいと あがくだけで
もし それを 誰かが みせてくれるなら
なんだって なげうろう
どんなところにだって いこう と 思う
けれど そんなんじゃねえだろ もう とも 思う
もう すっかり わたしは わたしを 信じていないし
わたしのもとにある からだが ほんとうに哀れで ごめんなさい わたしなんかの からだで もっと ちがう人の からだだったら よかったのに と 思う だから からだだけは 
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