アンチヒロインの思い出/salco
 
るべき煩瑣な手続きを踏んで許可まで取り、民間ごみ処理業を開
業したのだった。

あれから早三年、小規模ではあれ二十三区の施設並みの処理能力を誇る
為、水分含有率の高い生ごみから木製家具、合成樹脂から小型家電製品、
店舗や事務所の事業ごみに至るまで、今では様々な不用品が一帯から持
ち込まれている。
ユニークなのは大きさ関係なく一律五十円という、利益を度外視したそ
の料金設定で、自治体の粗大ごみ回収や民間の不用品回収業者より破格
に安いので大繁盛、燃料は石油であるものの、発生する四千℃の高熱を
自家発電に変換し機械稼働部を含めた電力と風呂・冷暖房に還元してお
り余剰分は東京電力に
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