そして恐怖の中で私は祈った/初代ドリンク嬢
 
食べることに興味がなかった
何もかもがどうでもよかった
自分に何かができるとも思わなかった
仲間がいるわけでもなかった

ただ
逃げ出すことばかりを考えていた

そんな私が妊娠した
結婚はどっちでもよかった
けれど
子供は生みたかった
これ以上
罪を背負うのはいやだった

愛おしかった
おなかにできた小さな命が愛おしかった

けれど、私は寂しかった
どうかどうか
この寂しさが子供に伝わらないように祈った

怖かった
生まれた命が
成長して暗い深遠に取り囲まれて
やがて死へと向かっていくことが怖くてたまらなかった
私のように
いつも逃げることを考
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