少女だった日/ゆめみーる ゆめこ
さようなら
ずるり と 剥けた
わたくしの肌で
少女の血は
かじられた林檎
果汁のやうに
べとべとと
しみわたるまで垂れて
失ったものの大きさに
驚愕するのでせう
あの日の制裁が
孤独の前に
立ちはだかって
ただ
しゃぶりつづけるしか
できなかった
にぎりつぶし
噛み切ることで
まもられるほど
セシシアルでは
もう なかった
さようなら
ぬるり と 濡れた
わたくしの奥で
少女の血は
哀しく噎んで
粘着質な
涙をながして
よばれることのない
カーテンコールを
待っている
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