大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
え、さらに、これまでにはなかった視点を窺おうとする好奇心をそそる絵になっていたからだ。


   ○うねる川を前にして

 そのイスは、なにもないところへ置かれていた。
 うしろには、刈り高が二センチ程度に統一されている静まった芝生があり、眼前には「なにを放りこもうとも、我々はそれを下流へ運ぶだけだ」と言って、うねっている川がある。
 ――僕はイスに座った――
 瞬間ごとに新しいものへ取り替えられるそのイスは、めったに形も座り心地も変えず、九割強の無駄を感じる。
 ――僕は川を見つめた――
 僕が流れの中に軽石のような意志を放りこめば、流れはなにも訴えてこないだろう。僕が一人、
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