大蛇と影を重ねて/ポッポ
、動きのない一枚の絵でかまわない。それがつまらなければ、その絵に穴を開け、向こうの景色に違うものを見つけるだけだ。
今日は誰かの旋律には頼らない。今日は、僕が?なにか?をした素晴らしい日なのだから――。
あぁ、気分が良い僕の表情を見たヒレンクターは、舌をピロピロさせて嬉しそうだ。そんなオマエを見ていると、また新たな表現を求め、僕の指は鍵盤を這う。
○眩しさに見た少年
眩しい。
僕は片手を目の上に当て、飛びこんでくる光を遮るように、薄っすらした場面をなんとか目視した。
いくらか眩しさに慣れると、十歳くらいの少年が、大人の雰囲気をした男と女から優しく声をかけられ
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