大蛇と影を重ねて/ポッポ
 
にも似たような苦しみかたを見せたが、これまでに増して症状は激しくなっている。ヒレンクターは大量の胃液を吐きだすと、そこで苦しみの峠を越えたらしい。あとはただ荒れた息を吐いて疲れているだけだった……。
 見ていた僕は、すごく寂しい。でも、それは感じているとは思えないもので、体感を無視したところにある寂しさ。感じるのではなく、寂しさというもののカタチだけを見つめ、そこにありつつも、自分のものとして捉えていないような……。
 頭は働いているはずなのに?なにかを感じる?という動物的な本能が塞がっているような気がする……。
 復調したヒレンクターは、自分を見つめる無表情の僕に向かって口を大きく開け、シ
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