大蛇と影を重ねて/ポッポ
『大蛇と影を重ねて』
*
――目が眩んでしまいました。私は、してはいけないことをしてしまったのです。
そこで私は、欲望の中を飽きるまで楽しむことで未練を捨て去ろうとしている愚かさを許してもらおうと思い、あなたに、お願いをしにきました。
私は欲望の果てを望んでいるのですから、まだ見こみのある人間だと思うのです。なので、今だけは許してください。お願いします。きっと今だけなのです。
許すと言ってください……。
○変貌した景色
前方に見ていた場面は、さらに奥から流れてきた別の場面に押され、僕のうしろにまわったらしい。
鼓動がこれっぽっちも震
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