拒絶/テルテル坊主
 
懐かしく感じることができる瞬間

とても「帰る」がふさわしくない帰宅

雨の匂いに鼻をくすぐられ
遠くからやってきたビル風に目をくすぐられ

何枚ものフィルターの向こうの夕焼け
決まった凹みのコンクリート

そわそわしていた
「懐かしい」がふさわしくない帰宅
街が、部屋が、風が、拒絶しているように感じた

哀れにも
拒絶していたのは「僕」のほうだった
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