風船の少年/瑠王
 
その少年は風船を手に降り立った

そして私にひとつの物語を説いて口に指をさした

それは私のようであり、また別の誰かの事のようだった

少年は無垢な笑顔とは裏腹に私と目を合わそうとしなかった

むしろ私がその瞳を知らなかったのかもしれない

そして少年は私の夢を奪うと

再び風船を手に行ってしまった
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