祈り/
湖月
まだ眠ったままの月にくちびるをよせ
とおい昔の祈りに似たうたをうたう
てのひらのなかには白い骨がほんのりとあたたかく
ぱらぱらと、雪になって崩れるおとがした
土へと還るしろい風は
いつの日か花になり
少女の死体への手向けへと
とおい昔にふれた白い手は
腐葉土の下へ
さまよう森は少女を隠して
祈りのように花が咲いた
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