毒婦の系譜/salco
前に、自己満足の尺度が極めて幼稚であって、モノは所詮モノでしかな
い、その事にさえ気づいていないようなのだ。動機について言えば、
「理想的生活を営むための厳格な設定基準を満たす物資の導入」なのだ
ろうが、そこにさえほんわかした夢想の喜びをしか私は感じ取ることが
できない。
この猫かぶり女にはネット上で他者を誹謗中傷するという側面があった
らしいが、強固なエゴの中でファンタジーの構築に生きていたこの女は、
他者によって感情を揺さぶられるということは最早なく、激することで
損なわれる神経もまた有さなかったのではなかろうか。だから殺人など
眼中の出来事でなかったと言えないだろうか
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