毒婦の系譜/salco
うか。
この女の病理は人格でも現実認知に在るのでもなく、自己の絶対化をモ
ノのプライオリティーで代償した、その思想だろう。
それは所有欲を自己消費で相対化する援交少女の代償行為と真逆の論理
であり、と言うことは、一見タニマチ的、情婦的な生活援助を相手に請
いながらも、実は淫売を買い女を犯す男と同一の基本理念、機能的権力
行使に立脚しているわけである。
尚もこの女は自らを商品化して利益を得る際に労作を提供するのではな
く、資本論がいうところの資本家の立場を取りながら、一切の対価を支
払わなかったのだ。これを労働搾取と言わずして何と言おう。
してみればこの女の自己像は女王、即ち
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