瀰漫(びまん)/蒲生万寿
 
久遠の彼方にあると言われているが

おそらく其処には何も無いのだろう・・・

火が生み出す煙は立ち昇り

ゆっくりと広がっていく

ゆっくりと上に下に平行に広がり続ける煙の衣

その切々に私は安楽を知り

和らぎに体をまかせる

空間は煙と共に存在し

全ての垣根は取り払われる

私はそこにはいない

何処にいるのか・・・

こんな間近にあるのを見付け

私は私に驚く

戻る   Point(0)