凍りつく此岸/within
太陽が死んでしまって
僕らはどこへいけば
光を見つけられるのだろうと
凍りついた足で
凍りついた息を吐きながら
凍りついた道に迷う
破壊の二文字に踊り狂った
少年少女も
目覚めることを忘れてしまった
胸に猫を抱いた老婆は
皺だらけの肌なのに
長い髪だけは恐ろしく黒かった
太陽を知らない胎児は
何のために眼球があるのか
わからず
空を見上げながら
温もりだけを写し取る
飽和した世界は空気が薄い
巨大化した肺も
足りない酸素を補うことができずに
いつも膨らんでばかりの
風船のように
どこまでも
吸い込んでばかり
飽きずに酸素を取り込んで
二酸化炭素を吐いていたら
自分の名前を忘れてしまった
気まぐれに寄こす物語を
読んでいたら
文字がぼやけてきたから
眼鏡を買った
太陽が死んだから
もう何も見えないのに
小さな光の点滅が
ちらちらとカーブを描き
浮かんでいる
食うか? 食うか? 空間 空か?
そこが かつて何であったかは
暗渠の向こう
鈍(にび)色の川
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