帳尻を、合わせる/あ。
昨夜の雨を吸った落ち葉はぶよぶよと柔らかくなり
いくら踏みしめても何の音も鳴らさなかった
足跡さえも吸収してしまいそうな弾力は
寒さを忘れそうなほどの優しさで失望を覚える
冬はいつだって少し素っ気ない
鮮やかさは秋が終わればはらはらと散りゆき
くすんだ色だけが黙々と積みあがる
空から落ちてきたばかりの雪が真っ白だったり
お正月に飾られる門松が綺麗な緑色だったり
節分に現れる鬼の顔は赤や青だったりするのは
そのクリアさが引き立つためかもしれないし
色の帳尻を合わせるためかもしれない
冷えた風は容赦なく頬を痛めるのに
割れた落ち葉は刃のように尖っているのに
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