ばらばら/猫のひたい撫でるたま子
楽園の果て
かろうじて
軽んじて
隙間風
憂き目
払拭
止めていた煙草を吸えるようになった。
磨り硝子の窓から景色は見えない。
ゆっくりと、歩くひとが大勢ゆっくりと歩いている。
ひとりひとつの白いカーテン
ひとりごと
退院した。
夜の階段を上る
七階までくると小さな東京タワーが見えてくる
夜のひとり歩きをする
コンビニがやたらと明るい
夜に見るユメの中の人が両手で耳を塞ぐ、叫ぶ
「聞きたくない!」
蔑みの目でよく目を見つめて
食事を与えてくれる
おいしいと褒める
すこし笑った女の人
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