ばらばら/猫のひたい撫でるたま子
 
楽園の果て
かろうじて
軽んじて
隙間風
憂き目
払拭

止めていた煙草を吸えるようになった。

磨り硝子の窓から景色は見えない。

ゆっくりと、歩くひとが大勢ゆっくりと歩いている。

ひとりひとつの白いカーテン

ひとりごと


退院した。


夜の階段を上る

七階までくると小さな東京タワーが見えてくる


夜のひとり歩きをする

コンビニがやたらと明るい


夜に見るユメの中の人が両手で耳を塞ぐ、叫ぶ

「聞きたくない!」

蔑みの目でよく目を見つめて

食事を与えてくれる

おいしいと褒める
すこし笑った女の人
[次のページ]
戻る   Point(2)