シコシコ/攝津正
また凡庸な日常に、倉庫の仕事に復帰出来そうな予感がしている。あくまでも予感である。実際に働いてみないと分からぬが、昨日迄退職する積りだったのが、慣れた職場で働き続けようという気持に変ってきた。凡庸で退屈で変らぬ日常に復帰するのが大事だと思えた。会社はなくなるかもしれず両親は亡くなるかもしれない。だが、非常時は何時やって来るか分からぬとしても、とりあえず平時である。普通の日常を普通に生きれば、それで良い。小分けの先生なりオリコン出し・シール出し等々として生きて働けば良い。そう思えた。
ピアニストや作家や哲学者に成れずとも良い。倉庫内労働者で良いではないか。その自分を認め受け容れれば、問題は解決す
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