ハルが鳴く
寂寞とした夜が明け
やわらかな陽射しが
小さな籠をみたす頃
デジタルのアラーム音に
携帯のモーニングコールに
沿って響く
心地よい声が
目覚めを誘う
毎朝に夜の帳帷を開ける
その息吹は
その鼓動は
天上と地上を結び付ける
奈落に架かる虹
・
ハル、私の良心
内側ではない外側に在る
おまえに救われるとき
私という雑音は消え
霧は澄み渡り
ひそやかに現れる色彩
その一瞬を捉えた瞳の輝きが
眼差しとなって
感覚を失くし蒼ざめた
誰かの頬を
照らしはしないだろうかと
(幾千の)
(星屑が散りばめられた)
(その中の)
(ひとつ)
(トパーズのような)
(心を)
(見詰めています)
・
ハルが鳴く
渇いた岸辺に
打ち寄せる
さざ波のように
私の鼓膜に
主旋律だけを
残して