月夜の道 /
服部 剛
夜道に伸びているのは
棒っきれの姿で立ち尽くす
私自身の、影でした。
深夜の川のせせらぎだけが
無心のうたを囁きながら
何処か見知らぬ明日の方へ
流れてゆくのでした
(川の水面は心の鏡
ましろい月の姿は揺れて・・・)
夜空に高く昇った月は、只煌々(ただこうこう)と
地面にぺたりと貼りつくように
潰れちまった空き缶を
いつまでも、照らしているのでした。
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