なまり/高梁サトル
 
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おまえの気まぐれさは 朝霧のようなもの
昼がくれば晴れて 夜がくれば澄み渡る

古代ローマの少年王ほど 傲慢ではないが
猫なんて 可愛いらしい無邪気さでもない

濡れた衣服を どうすることも出来ずに
太陽が怖い と日陰に駆け込みながら
喉が渇き切ったときの 一滴の唾液の甘さを味わっている

大量の薔薇をかき抱き これは
華やかで賑やかな 年中止まないパーティーの装飾だと踊り
傍らで孤独に寄り添い ツルゲーネフやプーシキンの詩を歌う

例えば そんなものだ



よく逃げ出しもせず 堂々と立っているがね
足の甲をよく 見てみろ
大地に打ち付けた杭
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