点在しているライトの目。/岡崎師
 
窓から見える魚はどれも、カラフルで、飴玉みたい。一人、お茶しな
がらきみは、窓に向かって息を吐く、はいた息は、とけ、泡となり、地下から地上へ、浮
かび上がる、透明な歌に乗せて。

木曜日、風の飾ってある丘。
星が、水平線に静かに並び、風が、十字架となり飾ってある。透明で蒼なそれらにふれる、
ゆびが、ちぎ れ そうだ、。 空には浮かんだ、雲と星。とおくでは、鳥も何羽か飛ん
でいる。高層ビルが小さく見え、カーテンの掛かっていない部屋が、ひとつだけある。僕
は一つの風を引き抜くと、その場所に地下室を掘る。

金曜日、地下室。
僕の隠れ家。拾ってきた星で、窓のない窓にそれらを飾り、祈
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