会いたい、ただそれだけで/窓枠
 
いっそのこと泣きくずれてしまいたい

切にねがった 冬の夜

凍りついた感情をさらけだせず
夜風に旅立っていくのはいつだって
かりそめのわたし


一面の雪に埋まってしまった
ぬくもりを探して
冷たい結晶を手にしてみれば
音もなく
逃げていった
指の隙間に空虚だけを残し

わたしの愛しい人は
そう 一番に会いたい人ほど遠く
かすれて見えるの


春どけを待たずして
砕かれた氷河は散り散りに
北極のわたしたちは
いつしか北と南で対極し
たった一言の交信をした
(会いたい。それだけのことが、
 それだけの意味が、地球の温暖化よりも重いのです)

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