ぼくたちの失敗/あおば
100211
弾かれた音速の脅威を
忘れたかのように
滑走路から飛び立つのが
習慣となった
石油が無いから
空気を燃料にして
今日はその成果を試すのだ
元気良く飛び出したパイロット
ケロシンをがぶ飲みするエンジンが
今、始動した
巨大なプロジェクトが開始されて
空は買い占められて
自由な空気が少なくなって
人々は困っている
暴動が始まっても
空気が足りないので
すぐに鎮圧されて
世の中は平和のように穏やかになり
日はいつものようになにごともなく揚がり
夕方には赤い顔を輝かし
黙って下りてゆくが
見守る
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