10/イシダユーリ
凌辱された
ところで
わたしを
罵倒する
くらいのものだったけれど
幾人かは
彼女の
家に
いつのまにか
転がっているもので
わたしは
虫を
盗んでは
食べる
まるで
胸から
石が
生まれるようだ
彼女は
いつも
笑ってこう言う
ねえ
思ったとおりだったでしょ
ぜんぶ
わたしの
思ったとおりだったでしょ
いつでも
火事だから
みな
ゆっくりと
逃げ出すのよ
それは
とても正しい
ひとびとのすがただと思うわ
わたしは
それを
とてもよろこぶの
彼女のからだは
とてもおおきかった
彼女のからだは
とてもおおきかった
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