私の愛したサテュロス/高梁サトル
 

重いドアをから入ってきた日差しが、また去ってゆく
追い掛けてもだめ
太陽はおまえのものだけではないから
悲しげね
寂しげね
だから言ったでしょう
おまえは野の兎を捕まえるように夢中になっていたけれど
そうではないの
もっと風を掴むように

おまえが愛したサテュロスは死んだの?
いつまでも待っても帰ってこないわ


緩やかなウェーブのかかった前髪を撫でながら
2人でブランケットに包まって
本を読んでとせがんだわね
「リヴィエラ」だとか「リヴェイラ」だとか
発音がめちゃくちゃな
可笑しくて笑ってしまったの
皆はあなたの歌声が聞きたいのだろうけれど
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