vespertine/
瑠王
最後のひと粒まで絞り出したと思っていた
種袋の中から再び種はとめどなく溢れて
私の足下を濡らします
蔓はのびて再び身体はとらわれ
私は動脈をあずけ蕾をひらくことに専念します
この柔らかい不自由がとても心地よいのです
夜の四本足を梯子でのぼって
辿り着いたそこには何もありませんでした
だから私はもう一度、大地へとかえったのです
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