蓮華草が 一面に咲いていて 夢中で 蜜蜂を追いかけた 時々 朝露が膝に跳ねて はやる気持ちに 追い付かない足が まるで 恋のようだと あがる息に 喉が鳴った 振り向いたら 独りで 小さな声で 名前を呼んでも 届くはずもなく 遠くまで来すぎたと その場に しゃがみこんで 誰も来ないなら いっそ これは全部僕のだと 空を見上げて 大声で泣いた