そんな神様だったなら/靜ト
 
戮に
彼は深く深く悲しみ
何もできない自分の無力さに
沢山の涙を流す

それはこぼれ落ち、海ほどにも広がる

そしてすべての自分の子供達が
いつしか必ず
互いに慈しみ、理解し、愛することが出来る日が来ることを
毎日毎日祈るのだ


神様の祈る手は
強く組まれ、小さくふるえる



そんな神様だったなら

―もしどうしてもいるのだと彼らがいうのなら―

そんな神様だったなら

私は許そう

あの日、奪われた沢山の命を助けてくれなかったことを

私は希望をかけよう

いつか、晴れ渡る空に全ての人が幸福を唄えると

私は愛そう



もし
そんな神様だったなら
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