魂のやさしさ/
天野茂典
魂のやさしさなんてたてがみの獣の飢えにひきちぎられろ
その底のやさしさひとつひっそりと夕陽のなかの草に宿れる
きりきりと秋の深夜の草むらのなかにいっこの電池は鳴れり
留守電に君の英語のうつくしき発音を聞く秋は来にけり
かなしみはひとりのものと知るときにハイビスカスのなんという赤
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