なぎさ便り/
楽恵
てのひらに乗るくらい
小さな桃色の巻貝だけ
あなたに送ったのは
あなたがくれたお手紙が
あまりに優しすぎて
どうご返事してよいのか、思いつかなかったから
その貝は、私が小学生の頃に行った海の遠足で
偶然ひろった浜辺の巻貝です
その貝のくちをあなたの耳にそっとあててみてください
波の音が聞こえてきます
じっと耳をすませて
ハロー、私の声が聞こえますか?
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