三千世界/依
さようなら、の数だけが大事にしまわれて
もう取り出すことも無い、かもしれない
でも
ありがとうが言えて良かった
ありがとうが言えなくてごめんね
有ることは難しいのに
そこに居てくれたから
空ではじけて
緑にたおれて
海にしずんで
たくさん泣いてきたのかもしれないけど
今は、知らなくていいし
思い出さなくてもいいんだと思う
でも、できればもう少し笑っていたい、かもしれない
意識にがんじがらめにされても
笑い転げることが好きだ
忘れないさ
三千世界にただ一人だ
どんなに終わりを繰り返しても
星の数がいくつあっても
いつか何にも見えなくなっても
どこにもいなくなっても
もう、大丈夫
なんにでも形を変えて
また、日が沈むまで遊ぼうじゃないか
戻る 編 削 Point(4)