私は裸足で アロエを買いに往く/鈴木陽一レモン
、バス停で待つ
来るはずのない、終発を、待つ
はだしのあしは、はだかで
はだしの前足も、かんぜんに手ぶらだ
なにももってないはだしは
なにものれないし
なにもかえない
でも、かえらない
こたつの部屋に
ひとり取り残された
なまえのないひきこもりの
、おとこのこは
、としをとりながら
、つぶやいった (ついったー)
さんきゅー、はるや。
だいじょうぶ。
どこへも、行ったりしない。
拙い獣から、ずっとはなれて
わたしたちは、産まれた病院から
一歩も外へ出ようとはしない。
だから
わたしたちは、永久に
出会うことも、別れることもないまま
ただ、間違えるの。
Hello も云えずに、凍えるの。 0。
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