「残花」/月乃助
から
青白く冷たくなった顔ばかりを見せ付けられていたから
それが、ずっともう薄らいでいたのに
餌を求める鳥達の鳴き声さえも シンとして
羽音さえも聞こえてくるのですね
鳥の姿になって、綿毛のような胸をふくらまし
私に会いにきたのですか
寒さに休み休み枝の間に白くなり
悲しく笑ったりするから
風が心の中までもふいてくるようです
咲き枯れたバラの花が一りん、木の下に
死んだように静まった顔をしているのは、
やはりおまえの顔だったのかもしれません
こんな話をすれば、怒ったように眉をよせる
妹のことを今日は、どうしてか
思い出したりしていました
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