労働/攝津正
れはともかくとして、金銭上の必要に迫られて労働を強制されているというのは不幸な事態だと思える。かといってどうにもしようがない。攝津は無職時代、カンパを募ってみたこともあったが、前田さんが千円程振り込んでくれるくらいが関の山であった。
ところで攝津は、会社から、仕事の話を具体的にブログ等に書くことを禁じられている。時給も幾らと正確な事を書いてはならぬと言う。だから攝津は、現在の労働について、抽象的主観的にしか記せぬ。辛かっただとか、どうだとか。会社で出会う人達についても書けぬ。斯様に制約の多い「長編小説『労働』」、技術の拙さは目に余るし、技術以前の問題でとにかく駄目という気がしてならぬ。攝津は自
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