フクロウと北極星/楽恵
 
眠るほど深い北の森に
大きな灰色のふさふさした梟が一匹暮らしています
夜になると梟の頭上には、北極星が輝きます
北極星は夜空に広がる星々の王様です
実はこの森の梟は
北極星が北の中天から動かないように見張る役目を神様から命じられていました
北極星は星の王様ですから
夜空の中天で動かずじっとしていなければなりません
そうでなければ、他の星たちが星座を組んだり
旅人が航海するとき目印をなくして大変だからです
けれど北極星は自分ひとりだけが同じ所にいることを
いつも不満に思っていました
自分も広い夜空のあちこちを旅したり
仲間といろんな場所で星座を組んだりしたかったからです

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