観覧車のこどもたち/済谷川蛍
的に意識することが出来る。
家に帰れば彼らは家庭のこどもに戻る。友達との繋がりは断たれ、替わりに家族や、家や、ペットと繋がる。親たちは自分のこどもが゛観覧車のこどもたち゛であることを話で聞かされて知っている。しかし廃棄された観覧車を大人の思考でしか認識出来ない親は、こどもたちが観覧車の周囲に築いた仮想的な世界を知るよしもない。いずれはこどもたちも大人になる。そして時間は流れ、数々の夢の在りかであった観覧車も壊され、跡には何も残らない。
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