潮の香りのするベッドで/井上新雪.
 
潮の香りのするベッドで
私は彼の寝息を聞いた
波の静寂は私を夢へ送り込む

 レールに敷かれた私を
 車輪がゆっくりと潰していく
 何かが砕け 何かが千切れ
 私はごろんと転がった
 快晴の空で桜が踊る
 花びらの着地地点には
 無数の死体
 みんな春を待ちわびて
 鎌倉の地で待っていたのだ

潮の香りのするベッドで
私の体は熟していく
愛してる 彼はそう言って
私の膣を擦り減らす















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