『批評際参加作品』私が読みたい詩-実存と世界性/ダーザイン
 
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 見よ、この男の強烈な実存を。初読、インドかどこかの異郷の話かと思ったら、これはまぎれもない日本というこの国の現実なのだ。ネオリベ施政のもとでの人間の惨状を先験的に描いた傑作である。大都市の裏町の精神病院から暗渠に流れ出る廃水のようにこの詩は死と汚辱にまみれているが神々しい。この詩のどこに自己への憐れみがあるだろう? そのようなものはない。雄々しく猛々しい。手足のない異形の子供たちの切断面から、娼婦の空疎な笑顔から、 
「なにもかも見失って誰かの夢に迷い込みたくなったら、首都のターミナルのF番ホームをたずね歩いてみるといい。

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